職場の人間関係の問題で退職を考える人は以前から変わらず多いです。上司だったり、先輩だったり、同僚だったり…。
その中でも最も多いのはやはり上司との人間関係ではないでしょうか。Bさん(35歳)も上司との人間関係の苦しさから、退職、転職を考えて来談されました。
上司に怒られて毎日びくびくして過ごすBさん
「今の上司からはことあるごとに大きな声で怒られます。そのたびに私は萎縮して、さらにミスをしてしまう。叱られてばかりで疲れてしまいました…。もうすぐにでも会社を辞めたいです。でも、人間関係での退職はNGって、いろんな転職の本に書いてあるし…。」
前の上司もとても厳しい人だったものの、Bさんがやったことに対して褒めてくれることも多かったそうです。褒められると嬉しくて、次の仕事へのエネルギーが湧いてくる、そんなイキイキとした生活が当たり前だと思っていたのに、上司が変わってしまったことでこんなにも気持ちが落ち込むことに茫然としたそうです。
上司が変わって半年、毎日ではないものの大きな声で怒られることが多いBさんは疲れ果てていらっしゃいました。また怒られるのではないかとびくびく過ごす毎日は、Bさんにとってどんなにしんどいものだったでしょう…。半年、よくがんばったね!
今すぐにでも会社を辞めたいと言う気持ち、すごくわかります。でもね、ちょっとだけ待って!最終的に退職することを止めたりはしません。退職した方が良い場合ももちろんあります。ただ、このまま辞めてしまってはもったいないと思うのです。
上司とBさんとの間に何が起こっているか、ちょっと紐解いてみませんか?
上司と部下の関係性の構造
Bさんがおっしゃるとおり、世の中の転職本には「人間関係での退職はNG」って書かれていますね。それはなぜなのでしょう?それはね、転職したのちに同じような関係性が違う人とまた起こる可能性があるからです。今Bさんと上司の関係性はどうなっているのでしょう?
「上司が部下を育成するときの、部下の3タイプ」というものがあります。
1.褒めると伸びるタイプ
2.叱ると伸びるタイプ
3.放っておくと伸びるタイプ
部下のタイプによって、働きかけを変えるといったものです。これを逆に考えてみましょう。Bさんは1の褒めて伸ばしてほしいタイプと考えられますね。でも上司は2で働きかけをしているわけです。ちなみに前の上司は1の働きかけをしてくれていたので、順調にBさんは成長していられたのでしょう。
今の上司ご自身が「叱られて伸びるタイプ」なのかもしれませんね。ご自身がそうやって成長してきた成功パターンを持っていると、部下にも同様のことをしてしまうことは多々あります。
相手を良く知ること、自分を良く知ること
Bさんは今の会社でもう少しがんばってみることにしました。
「関係性の構造がわかっても、しんどいことは変わらないけれど、でもまた同じようなタイプの上司に当たることはありますから、叱られることに慣れるかどうかやってみようと思います。少なくとも嫌われているのではないとわかったので、ほっとしました。」
うん、転んでもタダじゃ起きないってやつですね!
しんどさを抱えながらも今のところでもう少しがんばってみようとしているBさんにこんな提案をしてみました
・できれば社内でメンターになってくれる人を見つけること。
・タイプの違う上司のもとでがんばっている自分をいっぱいほめてあげること。
今の風潮としては部下や子どもを「褒めて伸ばす」ことが奨励されていますね。でも、実はたっぷり褒めてくる上司に対して「マジうざい!」と思っている部下もいます。相手がどんな人なのか、自分は何を求めているのか、両方を知って少しでも良い人間関係を増やしていけるといいですね。
ちなみに私は、基本放っておいてくれて、たまに褒めてくれるとすごくがんばれるタイプです!うわー、なんかすごいワガママな感じがする!
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