あるご事情があって転職活動を始めたAさん。
Aさんは転職サイトを見たり、エージェントに登録して求人を探し、20社ほど応募したのですが面接にいたったのは3社。そしてその3社の面接官から言われた言葉がこれでした。「結局あなたは何がしたいのですか?」
これがやりたい!というものがあるわけではなく、消極的な転職活動だったため、そこを突かれてAさんはうなだれながら来談されました…。このまま続けても受からない…そんな焦りや悲しさを抱えてのご相談でした。
業界がばらばらなので、何がしたいのか伝わりにくい
Aさんは今まで3社でお仕事をされていらしたのですが、3社とも業界も内容もばらばらでした。職務経歴を作った際にAさん自身もそのことに気づき、「私は何をしてきたんだろう…」と途方にくれたそうです。そのときそのときは一生懸命仕事をしてきたつもりだけれど、独りよがりだったのかしら…?そんな悲しい気持ちを抱えて来談されました。
そこで私はAさんのお仕事をひとつひとつ丁寧に聴いてみることにしました。
最初の会社はメーカーの販売促進。新製品が出る際にキャンペーンを考えたり、パンフレットを作ったり。どうしたら手にとってもらえるか、どうしたらわかりやすいパンフレットができるのか、彼女はいろんな工夫をしたそうです。
2社目は商業施設開発の会社。地域の商店街をどう活性化するかとか、新たな百貨店をオープンするにあたってのコンサルティングを手がけている会社でした。Aさんはアシスタントとして入り、上司とともに人の導線(人の流れ)をどう作ったら買い物がしやすいだろう?どんな店舗が入ったら集客できるか?毎日毎日真剣に考えたそうです。休みの日も流行っている商店街に足を運び、お店を見て歩くことが楽しかったと話していらっしゃいました。
がんばりすぎて体調を壊したAさんが、ペースダウンするために入った3社目の会社は小さなプロダクションでした。女性向けサイトの企画を請け負っている会社で、小さな記事を書くことから始まりました。徐々に記事を書く面白さに気づき、最新の情報を集め、トレンドを掴み、記事にしていったそうです。体調も安定し、仕事にも慣れ、順調に業務をこなしていたのですが、残念なことに会社が業務縮小することになり、Aさんはまた転職活動をすることに…。
実は一貫している「やりがい」や「興味関心」
Aさんは仕事のお話しをしているとき、とてもイキイキとした表情をされていました。たくさん話してくださったAさんにありがとうをお伝えしたあと、「今までのお仕事をお話されて、何か感じることはありますか?」と訊ねてみたところ、「ずいぶんがんばってきたんだなぁって思いました。」と言ったあと、しばらく沈黙が続きました。そしてふと顔を上げておっしゃいました。「結局私はどうしたらたくさんの人に見てもらえるのかとか、集まってもらえるのかとか、そんなところに一番興味があるんだなということがわかりました。」
そうそう!Aさんはどんな業界にいても、どんな仕事をしていても、一番関心があってがんばれるのはその部分なんですね!
たとえ違う業界、違う職種を経験してきても、Aさんのように実はやりがいを感じるところは一貫していることは多々あります。いろんな仕事の中に一本筋が通っている、まさにお団子の串みたいでしょう?違う業界、職種なのでなかなかわかりにくく、本人でさえ意識できていないことが多いようです。
これは「軸」とか「仕事の価値観」と呼ばれるものです。
なんか一貫性のないキャリアだなぁ、と感じる人がいたら、もう一度ご自分の今までのお仕事を振り返ってみてくださいな。一人で考えても見えてこないようならご相談にいらしてください!喜んで一緒に考えます!
自分のやりがいに一貫性があることを意識できたAさんは、そのことを自己PRや志望動機に書くことで、どのような仕事をしていきたいのかを自信を持って説明できるようになったそうです。
Aさんの幸せをちょっと遠くから応援していますね♪
※個人情報の観点から、業務内容、業界などについてアレンジしたり、複数のケースを織り交ぜております。